(ブルームバーグ):トランプ米政権は、中国共産党とつながりのある学生など、一部の中国人留学生のビザ(査証)取り消しを積極的に開始する。ルビオ国務長官がX(旧ツイッター)への28日の投稿で明らかにした。
トランプ政権は、外国人留学生が国家安全保障を脅かす恐れがあるとの主張に基づき、米国の大学で受け入れる学生の審査を強化しており、中国からの留学生はビザ取り消しに踏み込む。中国と香港からのビザ申請の審査を強化する基準改定も実施する。
ルビオ国務長官は、影響を受ける留学生について、「中国共産党とつながりのある学生や重要分野の研究に従事する学生」と言及したが、それ以上の情報は提示していない。米国で学ぶ中国人留学生は、2024年時点でインドからの留学生に次いで2番目に多い。
中国外務省に業務時間外にコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。

反ユダヤ主義を助長しているとの理由からハーバード大学など名門私大への圧力を強める米政府は22日、留学生受け入れ資格の取り消しを同大に通知したが、マサチューセッツ州の連邦地裁は23日、この措置の一時差し止めを決定した。
トランプ大統領は28日、ハーバード大が留学生の受け入れを全体の15%に制限すべきだと主張。ルビオ国務長官は先週、上院議員らに対し、取り消された学生ビザの数が「現時点で恐らく数千件に上る」と述べ、「ビザは権利ではなく、特権だ」と認識を示していた。

トランプ政権は留学希望者のSNS投稿の審査も強化する方針。米国務省は27日、学生ビザを取得する際に必要な面接の予約を一時停止するよう世界各地の在外公館に指示していた。
米国際教育研究所(IIE)によれば、23-24年度に米国が受け入れた留学生110万人余りのうち、インドと中国からの留学生が全体の約半分を占めた。24年の中国人留学生は約27万7000人と4%減少した。

原題:US to Start Revoking Chinese Student Visas, Escalating Crackdown(抜粋)
(背景などを追加して更新します)
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