英国の5月の食品インフレ率が1年ぶり高水準に達した。歳入拡大を図る英政府の予算措置が国内スーパーの営業コストを押し上げている。

英国小売協会(BRC)が27日発表した今月の食品価格上昇率は前年同月比2.8%。4月の2.6%を上回ったほか、4か月連続のプラス。 生鮮食品の値上がりが目立った。

食品小売り各社は価格競争力を保とうとする一方、最低賃金と給与税それぞれの負担増加に苦しんでいる。BRCによると、これらは50億ポンド(約9700億円)の追加コストに相当する。

 

「インフレが再び強まっているのは驚くべきことではない」と、BRCのヘレン・ディキンソン最高経営責任者(CEO)は発表資料で指摘した。

英食品小売りのアスダは3月、市場シェア奪還策の一環として価格引き下げを発表。業界で値下げ競争が起こると予想されたが、食品インフレ率の上昇でそうした見方に疑問符が付いた。

ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、チャールズ・アレン氏は先週のリポートで、 「激しい値下げ競争の懸念は行き過ぎかもしれない」と指摘していた。

原題:UK Food Inflation Highest in a Year as Grocers Face More Costs(抜粋)

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