(ブルームバーグ):国際エネルギー機関(IEA)は、2026年に見込まれている記録的な供給過剰はさらに拡大するとの見通しを示した。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスが原油の供給拡大を続ける一方で、同グループ以外の産油国も生産を伸ばしていることが背景にある。
IEAは、今年と来年の世界石油需要予測をわずかに引き上げたが、供給はそれを上回るペースで上方修正した。IEAの報告書によると、26年の世界の石油生産は消費を日量平均で333万バレル上回る見込み。これは1カ月前の予測よりも日量約36万バレル多い。年間ベースでも極めて大規模な供給過剰だが、20年の新型コロナウイルス禍のピーク時には一時これを上回る余剰分が発生していた。
IEAは、ロシアやイランへの制裁など地政学的リスクがもたらす原油価格への上昇圧力を「OPECプラスの増産と今後さらに拡大する見通しの石油需給の緩み」が緩和していると指摘した。
11日のロンドン市場で北海ブレント原油はバレル当たり67ドル付近と、今年に入り10%近く値下がりしている。

原題:Record 2026 Oil Surplus Expands as OPEC+ Boosts Output, IEA Says
(抜粋)
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