(ブルームバーグ):米銀シティグループのジェーン・フレイザー最高経営責任者(CEO)は、米国がリセッション(景気後退)に陥る可能性は低く、米企業は明確な政策シグナルを受けて自信を深めており、企業の合併・買収(M&A)活動が回復しつつあるとの認識を示した。
フレイザー氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、税金と関税、規制緩和に関する政策がはっきりしつつあることで、顧客が資本市場や投資、取引において「はるかに活発」になったと指摘。「われわれの基盤となっている顧客は今、自信を持って行動し始めている」と語った。
シティは労働市場を注視しており、「全てがばら色というわけではない」が、米国はリセッションを回避できると予想していると明らかにした。

トランプ米大統領が世界各国からの輸入に関税を課すと発表して以来、市場のボラティリティーが世界中の金融市場を翻弄している。
だがこの混乱は、シティを含む他の金融大手にとっては追い風となった。顧客の取引が活発化し、市場関連業務が恩恵を受けているためだ。
フレイザー氏は中東地域についても楽観的な見方を示し、投資の流入や新たな産業の創出により、今後10年にわたり力強い成長が続くとの見通しを示した。石油依存からの脱却を目指す湾岸諸国は、国内外に巨額の資金を投じており、シティを含む世界的金融機関を呼び込んでいる。
同氏によれば、「中東は今後10年ほどの間、投資や新しい産業、新たな顧客の参入という点で大きな成長局面にある」という。
中東がインドや中国との経済関係を広げていることも魅力的だとシティは捉えている。インタビューはアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで行われた。
原題:Citi CEO Sees Pickup in Dealmaking With US Recession Unlikely(抜粋)
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