ツルハホールディングスが株主総会で諮った、イオン傘下のウエルシアHDとの株式交換契約に対する賛成率は72.29%だった。臨時報告書で27日に開示した。特別決議として必要な3分の2以上の賛成は得られたものの、薄氷を踏む可決で、経営陣には株主や市場との丁寧な対話が求められる。

ツルハHDとウエルシアHDの株式交換を経て、イオンが統合会社を1株1万1400円で公開買い付け(TOB)する計画だ。今回の株式交換契約の承認が、実質的にイオンによる買収の賛否を問う場だった。大和総研によると、2024年6月株主総会シーズンではTOPIX500企業における会社提案議案の平均賛成率は95.3%。今回の議案への支持は8割にも達せず、株主の慎重な姿勢が浮き彫りとなった。

ツルハHDの株主総会を巡っては、第2位株主の英系運用会社オービス・インベストメンツや議決権行使助言会社が、TOB価額が安いとして相次いで反対を表明。オービスは、統合が承認された場合、公正な価格で会社に株を買い取らせることができる評価権の行使により正式に異議を申し立てることを検討していると、ブルームバーグの問い合わせに先週答えていた。

今後、他の機関投資家が追随すれば少数株主による株式買取請求権の行使を通じた異議申し立ての動きが活発化する可能性もある。イオンとの統合を進めるツルハHDの経営陣と、買収主体であるイオンには、株主の理解を得るためTOB価格の妥当性を説明することが求められる。

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