(ブルームバーグ):ツルハホールディングス株が26日、株主総会後に下げに転じ、前営業日比2.9%安の1万1275円で取引を終了した。午前に開いた定時株主総会でウエルシアホールディングスとの経営統合に関する株式交換議案が可決され、イオンによる株式公開買い付け(TOB)価格の引き上げ期待が剥落した。
ツルハHDのIR担当者によると、全5議案可決され、所要時間は1時間10分程度だった。株式交換議案の可決には出席株主の3分の2の賛成が必要。一方、ウエルシア株は一時7.2%高まで上昇する場面もあったが、統合比率にさや寄せし同2.1%高で取引を終えた。
ツルハHDはイオン傘下のウエルシアを株式交換で完全子会社化し、その後イオンが統合会社を1株1万1400円でTOBする計画だ。第2位株主の英系運用会社オービス・インベストメンツや議決権行使助言会社はTOB価額が安いとして相次いで反対を表明。株主の判断に注目が集まっていた。
岩井コスモ証券の饗場大介シニアアナリストは、もう少し良い条件を期待して上昇していた株価が議案可決により戻ってきたと指摘。株主総会を通過したことで今後の経営統合は、「障害がなくなり、粛々と進んでいくのではないか」との見方を示した。
オービスのブレット・モーシャル日本株責任者は先週、統合が承認された場合、公正な価格で会社に株を買い取らせることができる評価権の行使により正式に異議を申し立てることを検討していると述べた。
株主総会でのウエルシアとの統合案可決については、日本経済新聞が先に報じていた。
(アナリストを追加し、株価を更新します)
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