「トランプ減税」恒久化を含む大型法案を審議中の米議会は、リセッション(景気後退)が起きれば、「財政の大惨事」を招く危険を冒しているとグッゲンハイム・セキュリティーズのジェームズ・ミルスタイン共同会長が警告した。

ミルスタイン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「米財政赤字は現時点で2兆4000億ドル(約346兆円)で国内総生産(GDP)比6.4%に相当する。リセッションに見舞われれば、4兆ドルに容易に拡大しかねない」と語った。

共和党が可決・成立を目指す税制・歳出法案の費用見積もりについて、「着実な経済成長を前提としているが、仮にリセッションが起きればどうか。過去5、6回のリセッションでは、税収が減り支出が増え、財政赤字が実際に膨らんでいる」と同氏は指摘した。

下院予算委員会は18日夜に税制・歳出法案を承認した。上下両院の税制合同委員会は、法案の総費用を今後10年で3兆8000億ドルと想定しているが、米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会」は財政への影響がさらに厳しくなると分析する。

格付け会社ムーディーズ・レーティングスは16日、米国の長期発行体格付けなどを最上位の「Aaa(トリプルA相当)」から「Aa1(ダブルAクラス)」に1段階引き下げたと発表した。ウォール街の米財政見通しを巡る不安を裏付ける格好となり、週明け19日の金融市場で、米国の30年国債利回りは一時5%の心理的節目を突破した。

米議会で審議中の税制・歳出法案や米国の格下げについて語るグッゲンハイム・セキュリティーズのジェームズ・ミルスタイン共同会長

原題:Jim Millstein Says US Risks ‘Fiscal Disaster’ If Recession Hits(抜粋)

--取材協力:Sonali Basak、Matthew Miller.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.