(ブルームバーグ):ヘッジファンドは9日、日本銀行が年内の追加利上げを排除しない姿勢だとの報道を受けて、円高を見込んだオプション取引を積み増した。
野村インターナショナルのシニア為替オプショントレーダー、サーガル・サンブラニ氏(ロンドン在勤)は「日銀に関するこの報道を受け、利上げ観測が再び強まり、円上昇へのヘッジファンドの関心が高まった」と述べ、円に対するドルなどの下落を見込むプットオプションの購入が活発化していると語った。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のオプションの中央指し値注文帳簿(CLOB)のデータによると、9日に最も取引が活発だったドル・円オプションは、行使価格142円35銭で10月に満期を迎えるプットオプションだった。
この水準での取引は同日のドル・円プットオプション全体の22%を占めた。このオプションは満期前にドル・円が行使価格を下回ると値上がりする。9日の終値は1ドル=147円31銭だった。
石破茂首相が退陣の意向を表明したとの週末の報道を受け、週明けの為替市場では円が売られる展開となった。後任の首相が財政規律に緩やかな姿勢をとり、政府債務がさらに膨らむとの懸念が背景にある。
しかし、来週に予定される日銀の金融政策決定会合を控え市場の関心は再び金利動向に移った。
「石破首相の辞任でドル・円が150円を超えるとの見方が広がっていたが、市場は一転して、週末までに145円を下回る水準を目標とする展開になっている」と、サンブラニ氏は述べた。
10日には、日銀に関する報道を受けてドル・円が一時0.8%下落したことを背景に、1カ月先までのドル・円の下振れリスクに備えるプットオプションのプレミアムが、上振れに備えるコールオプションとの比較で上昇した。
原題:Hedge Funds Ramp Up Yen Option Wagers on BOJ’s Hawkish Signal(抜粋)
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