(ブルームバーグ):米司法省が、米暗号資産(仮想通貨)業者コインベース・グローバルで発生した顧客情報流出事件の捜査に着手したことが、事情に詳しい関係者の話で分かった。
この関係者によると、司法省刑事局の担当者などが事件の経緯について捜査を進めているという。関係者は事件の性質上、匿名を条件に語った。
コインベースは先週、ハッカーがインドで顧客サポート業務などに携わっていた同社の従業員や契約スタッフを買収し、顧客データを取得したと明らかにした。ハッカーは顧客情報の削除と引き換えに2000万ドル(約29億円)の身代金を要求してきたという。
司法省の報道官はコメントを控えた。
コインベースのポール・グレワル最高法務責任者(CLO)によれば、同社は当局にこの件を報告しており、司法省の捜査対象ではないという。
「当社は報告し、司法省を含む米国と海外の法執行機関に協力しており、これらの犯罪者に対する刑事捜査を歓迎する」とグレワル氏は述べた。英国とアイルランドのデータ保護当局もコインベースからの報告を受けて現在、状況を評価中だと表明している。
ハッカーはコインベースに対し、コンピューターの脆弱(ぜいじゃく)性を狙うのではなく、担当者の心理的な隙を突いて内部情報への不正アクセスを図るソーシャルエンジニアリング攻撃を仕掛けた。
原題:Coinbase’s Customer Data Theft Is Being Investigated by DOJ (1)(抜粋)
--取材協力:Emily Nicolle.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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