19日のアジア市場で、新型コロナウイルス感染症の検査キットや治療薬を手掛ける企業の株価が上昇している。感染者数が急増しているためだ。

韓国の検査キットメーカー、スジェンテックの株価は一時29%上昇。東京株式市場ではコロナワクチンの製造を手掛ける第一三共の株価がUBSによる目標株価引き上げを受け7.4%高となる場面があった。香港市場ではコロナワクチンも製造する上海君實生物醫藥科技が一時4.3%高となった。

人口密度の高い香港やシンガポールの保健当局はコロナ感染者数が急増していると警告しており、アジア全域で再流行の波が広がっている。中国疾病予防コントロールセンター(中国CDC)のデータによると、同国では昨年夏のピークに匹敵する感染の波が到来する可能性があるとみられている。

香港政府衛生署衛生防護センター(CHP)の徐樂堅・総監はプレスリリースで、社会活動の正常化以降、「香港では6-9カ月ごとに新型コロナの活発な流行が見られる」と指摘。「今後数週間は、新型コロナの感染が高い水準で推移すると見込んでいる」と述べた。

韓国疾病管理庁(KDCA)は先月、季節ごとに行われる新型コロナワクチン接種の期間を2カ月延長し6月末までとした。65歳以上の高齢者や入院患者などに対し、ファイザーとビオンテックが開発した「JN.1」変異株対応ワクチンの接種を推奨している。

韓国では19日にシージェンやSDバイオセンサーなどのコロナ検査キットメーカーの株価がいずれも上昇したほか、コロナワクチンメーカーのSKバイオサイエンスも一時7.2%上昇した。

オールスプリング・グローバル・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、ゲーリー・タン氏は「韓国製薬業界の小型株では個人投資家による資金流入が依然として支配的だ」と指摘。「個人投資家は、セクター内の一部銘柄に日和見的にポジションを構築している可能性がある」と話した。

原題:Covid Test, Vaccine Maker Stocks Jump as Cases Surge in Asia(抜粋)

--取材協力:Amber Tong.

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