AI関連の一極集中が逆回転する動きが続く
6月26日の米国株式市場は、AI関連は軟調な展開が継続した一方、原油安が進む中で景気には楽観的な見方が強まった。市場では、OpenAIがIPOを27年に延期する方向で検討しているという報道などがAI関連株にネガティブな影響を与えているという説明がある。むろん、これらの個別のトピックは重要だが、大きな流れとしては、イラン情勢とホルムズ海峡を巡る問題の改善期待によってAI関連への一極集中が逆回転していると考えられる。ダウ平均は週間では3週連続で上昇した。今後も原油安によって景気回復が期待される状況では、景気敏感株がAI関連投資の逆回転の受け皿となるだろう。AI関連はやや勢いを失う見込みだが、株式市場全体では地合いは悪くならないだろう。他方、原油安が止まらずにディスインフレ圧力が高まる場合や、雇用統計が悪化して債券投資が市場で選好される場合、株式市場全体から資金流出が起きる可能性がある。特に、雇用統計が悪化する場合は、景気に対しても悲観的な見方が生じやすいため、株式市場はまとまった幅で調整する可能性がある。
BEIの大幅低下が実質金利の低下に波及
6月26日の米国債券市場は、FRBの利上げ観測の後退が続き、実質金利主導で金利が低下した。長期金利は前日差▲2.4bp、2年金利は同▲3.1bpとなった。10年実質金利は前日差▲2.1bp、10年BEIは同▲0.3bpであった。6月はこの日までに10年BEIが約20bp低下した。FRBがインフレ予想をアンカーするという目的で利上げを実施する必要性が大きく低下し、利上げ観測が後退している。今後は徐々にFRB高官から利上げとは距離を取る発言が増えてくるだろう。米景気には楽観的な見方が多いと考えられることから、大幅な金利低下を予想する段階ではないが、すでに米金利は今年のピークを過ぎた可能性が高い。