(ブルームバーグ):日本生命保険は2026年度から大手銀行や地方銀行などの営業部門への社員の出向を一律で取りやめる方針を決めた。出向先で自社を優先的に扱うことができる環境にあり、公正な競争をゆがめる可能性があると判断した。
日本生命の広報担当者によると、現在の出向者は銀行が29人、そのほか銀行などの傘下の代理店で22人おり、営業企画や営業サポートに携わっている。今後、出向の引き揚げや出向先企業での営業部門以外への配置転籍などを含め、出向先と協議していく方針だ。
保険業界では顧客との接点となる代理店などに社員を出向させる慣習が不祥事や不公正な競争の一因として問題視されていた。大手中古車販売の旧ビッグモーターの保険金不正請求や顧客情報の漏えいなどに一部の出向者が関わったとされている。
損保業界では2024年9月に日本損害保険協会が営業目的での代理店出向を禁じる新たなガイドラインを発表。金融庁も不適切な出向を防止するため、生命保険を含め保険業界全体の出向について監督強化の姿勢を示していた。
金融庁は12日に公表した保険業界向け監督指針の一部改正案で、営業企画部門など保険募集に直接関与しない部門への出向でも状況により自社の保険商品を優先的に取り扱う可能性があるなどと指摘していた。
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