米ボーイングはカタール航空から過去最大規模の受注を獲得した。トランプ米大統領の中東訪問に合わせ、同地域では米企業との取引が相次いでいる。

ボーイングのケリー・オートバーグ最高経営責任者(CEO)は14日、トランプ氏とカタールのタミム首長が見守る中、カタール航空が「787ドリームライナー」や「777X」を含む最大210機を購入する協定に署名。ホワイトハウスは契約総額が960億ドル(約14兆1000億円)に上ると発表した。ただ、大型契約では顧客が大幅な割引を交渉するのが一般的だ。

今回の発表は、両国にそれぞれ成果をもたらすものだ。トランプ氏は商取引の獲得を通じて「ディールメーカー」としての実績をアピール。カタールは米国最大の輸出企業を支持することで対米関係の強化を図った。

事情に詳しい複数の関係者によると、カタール航空は787ドリームライナーを130機、777Xを30機購入する。さらに両機種いずれかを最大50機追加購入できるオプションも契約には含まれるという。

ホワイトハウスは協定の詳細については明らかにしておらず、カタール航空とボーイングもコメントを差し控えた。

大型受注のニュースを受けてボーイングの株価は一時3.1%上昇、2024年2月以来の高値を付けた。

ドーハの国際空港に駐機するカタール航空機

大統領専用機「エアフォース・ワン」の納入遅延でトランプ氏から批判されているボーイングにとって、今回の契約は商業面での大きな成果となる。カタール航空は長年にわたりボーイングの主要顧客である一方、短・長距離路線で多くのエアバス機も運航している。

新型コロナ禍を経て国際路線が再開される中、航空会社は老朽化した機材の更新を進めており、広胴機の需要が高まっている。カタール航空の競合であるエミレーツ航空は、2023年のドバイ航空ショーでボーイング機を100機超発注。エア・インディアやブリティッシュ・エアウェイズも長距離機材の導入を加速させている。

サウジアラビアの政府系ファンドも13日、ボーイングに48億ドル規模の発注を行っている。

原題:Boeing Marks Comeback From Crisis With Record Qatar Air Deal (1)(抜粋)

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