分断が進む韓国社会

現在の韓国社会では、若者と高齢者、若い男性と女性、進歩と保守、嶺南と湖南といったさまざまな対立軸で分断が深刻化している。このような状況を踏まえると、今後、特権層を標的としたポピュリズムや、それに伴う報復的な政治が一層激化する可能性がある。

政治的報復と社会の分断が続けば、最終的には民主主義の根幹を揺るがす事態に繋がる恐れがある。少子高齢化が進み、将来的に人口減少が避けられないと予測される韓国が持続的に発展するためには、政治的な報復や対立ではなく、「協治」と「共生」を基盤とする政治の実現が不可欠である。今後、そのような政治が実現されることを心から願っている。

(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金明中)