カナダでの英石油大手シェルなどの液化天然ガス(LNG)プロジェクトで、早ければ6月下旬の輸出開始に向けた準備が進行中だ。同国初の大規模LNG輸出ターミナルとなる。

詳細は非公開だとして事情に詳しい複数の関係者が匿名で語ったところでは、同施設では現在、LNGの生産開始を前に設備の試験を行っている。プロジェクトの進捗(しんちょく)状況によっては、輸出計画が変更される可能性もあるという。

LNGカナダの広報担当は電子メールで、引き続き2025年半ばまでに最初の積み出しを行う予定だと説明した。

このプロジェクトによって、カナダはLNG輸出国となり、価格高騰に直面する市場にとって不可欠な供給源となる。

ここ数年、欧州ではパイプラインを経由したロシア産天然ガスの代替燃料としてLNGへの依存が強まっており、世界的な需給逼迫(ひっぱく)を招いてきた。

カナダ西海岸に位置するLNGカナダは、アジアのガス消費国にとっても有利な立地にある。米メキシコ湾岸のターミナルを出発し主にパナマ運河や喜望峰周辺を経由して太平洋に到着するタンカーと比べて、輸送時間が短縮されるためだ。

このプロジェクトは、シェルのほか、マレーシアの国営エネルギー会社ペトロナス、中国石油(ペトロチャイナ)、三菱商事、韓国ガス公社による合弁事業。

原題:Shell’s LNG Canada Plans First Exports as Soon as Late June(抜粋)

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