(ブルームバーグ):8日の欧州債券市場は、英国債のイールドカーブが急速にフラット化した。イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利を25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げたことを受け、安全資産からの資金流出が進んだ。さらに、米中貿易摩擦が緩和するとの期待から、株式市場が急騰し、この動きをさらに強めた。
短期金融市場はイングランド銀の追加利下げ予想を後退させた。6月の金融政策会合での利下げ幅の見通しを7日時点の13bpから3bpに、年末までの累計利下げ幅を同70bpから55bpにそれぞれ引き下げた。
安全資産からの資金流出が加速する中、ドイツ国債はイールドカーブ全体で下落した。市場は、欧州中央銀行(ECB)の年末までの利下げ幅の予想を計60bpと、7日時点の65bpから縮小した。
欧州株式は2日連続の下落から反発した。トランプ米大統領が米英貿易協定の合意を発表し、投資家の信頼感が回復した。
ストックス欧州600指数は、0.4%上昇し取引を終えた。特に、ユーロ・ストックス50指数は、トランプ氏が上乗せ関税を発表した4月2日以来の最高値で取引を終えた。工業、テクノロジー、旅行、小売、銀行などの景気敏感株が上昇をけん引した一方、公益事業、医療、不動産などの防御株は下落した。
ASMLホールディングなど半導体株は、米トランプ政権がバイデン前政権時代の半導体規制の一部を撤回する計画と報じられたことを受け、急騰した。シーメンス・エナジーは、関税の影響は限定的だとの見通しを示し、3.3%上昇した。
5月8日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)
原題:European Stocks Climb as Trump Touts US-UK Trade Agreement(抜粋)
--取材協力:Michael Msika.
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