(ブルームバーグ):米カリフォルニア州ベニシアにある独立系石油精製会社バレロ・エナジーの製油所で5日発生した火災により、サンフランシスコ湾岸地域で稼働しているガソリン精製プラントは1カ所のみとなった。夏のドライブシーズンを前にガソリン価格への上昇圧力が強まり、州民の負担軽減を目指すニューサム知事の取り組みを妨げている。
現時点では、シェブロンのリッチモンド製油所が州北部でガソリン不足を補える唯一の施設だ。フィリップス66とマラソン・ペトロリアムはここ数年、再生可能燃料への事業転換を進めている。
ゼネラル・インデックスのデータによれば、カリフォルニア州のガソリン価格のニューヨーク商業取引所(NYMEX)先物に対するプレミアムは6日、サンフランシスコ湾岸地域とロサンゼルスで10セント上昇。湾岸地域のプレミアムは7日、さらに12セント上昇し、2023年10月以来の高水準に達した。
夏のドライブシーズン開始を告げるメモリアルデーを控え、ガソリン価格高騰が和らぐ兆しはほとんどなさそうだ。この時期は需要が高まるため、ガソリン価格が上昇しやすい。
それでも全米自動車協会(AAA)のデータによると、7日の州全体のガソリン平均価格は昨年の同じ時期を1ガロン当たり55セント下回り、22年に記録した州内の最高値(6.44ドル)より1.65ドル安い。
ニューサム知事はガソリン価格上昇を抑制するため、製油業界の規制を狙った一連の法案に署名。その後、書簡を通じて州のエネルギー当局に、業界と協力するよう指示した。同知事はかつてこの業界を「気候危機をもたらす汚染の元凶」と呼んでいた。
原題:San Francisco Gasoline Prices Rise as Just One Refinery Remains(抜粋)
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