(ブルームバーグ):ムーディーズ・レーティングスは、米国の空港セクターの見通しを「安定的」から「ネガティブ」へと引き下げた。世界的な貿易戦争による航空旅行需要への打撃の見通しを主な理由としている。
5日付リポートで、米経済の成長鈍化により搭乗者数が今年緩やかに減少すると予測していると説明した。
ムーディーズのウルスラ・カッシネリオ氏らアナリストは、「関税や貿易摩擦の波及効果によって、レジャーやビジネス目的の旅行が抑制されるだろう」と指摘。「それでも過去の景気後退時ほど搭乗者数が減少するとは見込んでいない」としている。
見通し変更の背景には、トランプ大統領の貿易政策が事業に及ぼす影響への懸念から業績見通しを取り下げる航空会社が増えていることがある。アメリカン航空グループやデルタ航空などは先月、見通しを撤回した。
ムーディーズによれば、インフレ高進や消費者信頼感の低下が消費や雇用、投資を抑制する公算が大きい。同社はレジャー市場での需要減を受け、航空各社が輸送力の伸び抑制の取り組みを加速させると見込んでいる。
原題:US Airports Have Outlook Dinged by Moody’s on Trade Concerns(抜粋)
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