米アルファベット傘下のグーグルは昨年、一部の人工知能(AI)企業にチャットボットの回答を同社の検索結果にひも付けるサービスを提供し始めた。ただ主要な複数機能について、同社の生成AIサービス「ジェミニ( Gemini)」に限定していることが明らかになった。

グーグルの検索部門の責任者、リズ・リード氏が6日、AIモデルによる自社データの利用要請への対応について首都ワシントンの連邦地裁で証言した。

グーグルは、検索結果構築のための収集データの多くを共有する内容の米司法省の提案に反発してきた。

同社の現行の運用が自社のAIサービスを優遇していることを示すリード氏の証言は、公平な競争環境を求める反トラスト法(独占禁止法)執行側の主張を後押しする可能性がある。

グーグルは2024年5月から、グーグル・クラウドのアプリ開発者向けプラットフォーム「Vertex AI(バーテックスAI)」で「グラウンディング」機能の提供を開始。この機能により、AIモデルは回答を生成する際、精度向上のためグーグルのウェブ検索結果を参照できるようになった。

法廷で開示された文書によると、十数社余りが現在、このサービスを利用しているが、社名は公開されなかった。

リード氏は政府側の弁護士の質問に対し、バーテックス経由で企業がグラウンディング機能を購入した場合とジェミニとの間で、受けるサービスに差があると認めた。

同氏によると、提供するウェブ検索結果自体は同じだが、エンティティー間の関係を示す「ナレッジ・グラフ」やスポーツの試合結果やフライト情報などのインスタント検索を提供する「ワンボックス」といった検索機能の形で、グーグルは追加機能をジェミニに提供しているという。

首都ワシントンの連邦地裁のアミト・メータ判事は昨年、グーグルがオンライン検索市場を違法に独占していると認定。是正のため同社に命じる措置を巡り3週間の審問を現在開いている。

原題:Google Reserves Key Search Data for Gemini, Not Rival AI Apps(抜粋)

--取材協力:Davey Alba.

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