コーヒー生豆先物市場では、高価な「アラビカ種」と安価な「ロブスタ種」の価格差が2011年後半以来の水準まで拡大している。高品質なコーヒーを提供するカフェチェーンに好まれるアラビカ種の供給不足懸念が背景にある。

29日のニューヨーク市場で、アラビカ種の先物価格は2.2%高となる場面があったが、その後下げに転じ一時3.3%安を付けた。それでも前日まで5営業日連続で続伸し、今年付けた最高値に再び近づいている。

ロンドンで取引されているロブスタ種との価格差は1ポンド当たりでおよそ1.60ドル。干ばつの影響により、世界最大のコーヒー輸出国であるブラジルでのアラビカ種の生産量が減少する見込みであることから、価格差は今年に入り上昇している。

一方、ブラジルではロブスタ種の生産量が増加している。同国におけるロブスタ種の生産地の多くがかんがいに依存していることから、ラボバンクとヘッジポイント・グローバル・マーケッツの市場アナリストらは、ロブスタ種の生産量が今年、増加すると予想。焙煎(ばいせん)業者は消費者向けブレンドコーヒーに占めるロブスタ種の割合を引き上げる可能性がある。

また、世界経済とコーヒー需要の不確実性を背景に、アラビカ種の先物価格は変動が激しくなっている。ネスレは先週、コーヒーとココア製品の値上げ後も売上高が増加したと報告したが、スターバックスは消費者心理の悪化により北米での売上高が減少する可能性があるとみられている。

 

原題:Arabica Coffee Premium to Robusta Climbs on Tighter Supplies(抜粋)

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