新興国市場で今月発行されたドル建て・ユーロ建て債で中国発行体の割合が過去最大となっている。貿易戦争に直面している中国だが、資金需要の強さが示された。

ブルームバーグの算出によれば、4月のこうした債券発行の49%を中国の公社債が占め、月間ベースで過去最大のシェアを記録する方向。

中国を除く新興国市場におけるドル建て・ユーロ建て公社債発行額は4月最初の3週間で70億ドル(約9970億円)と、2005年以来の低水準に落ち込んだ。

そうした中で中国勢の存在感が浮き彫りとなっている。新興国の起債低迷は、トランプ米大統領の高関税政策に伴う借り入れコストの急上昇が要因だ。

米国との貿易戦争のただ中にある中国だが、今月発行されたドル建て債の半分余りが地方政府の資金調達事業体(LGFV)によるもの。多くの債券発行が国内投資家に支えられていることが需要持続につながっている。

ジュピター・アセット・マネジメントの新興国市場担当クレジットアナリスト、シューチェン・チャン氏(ロンドン在勤)は「中国のドル建て債発行体の多くは、米関税の影響を直接受けない」と指摘。

「投資家は中国がさらなる流動性供給を進めると見込んでおり、それによって国有企業向けのファイナンスが一層容易になると期待している」との見方を示した。

中国はドル建て・ユーロ建て公社債発行で、サウジアラビアを抜き新興国市場のトップとなった。1ー3月(第1四半期)のシェアは中国が9%、中東地域の発行体が27%、中南米は18%、欧州の新興国が19%だった。

原題:Chinese Foreign Bond Sales Mark Record Share of EM Total(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.