(ブルームバーグ):トランプ米政権が貿易相手国・地域に課す関税の引き上げに伴う財政赤字の長期的圧縮効果について、議会予算局(CBO)は従来の見通しを1兆ドル(約157兆2000億円)下方修正した。米政府の借入必要額を巡り懸念が深まる可能性がある。
20日のブログ投稿によると、関税収入の増加により、2025-35年の財政赤字は累計2兆5000億ドル減ると見込まれる。さらに財政赤字縮小に伴う金利負担減少で、5000億ドルの圧縮が期待される。
11年間に予想される財政赤字の圧縮は3兆ドルにとどまり、CBOが8月に示した4兆ドルから引き下げられた。
大型所得減税の恒久化を柱とする税制・歳出法に基づくトランプ氏の看板政策実行で、財政赤字は34年までの10年間で3兆4000億ドル増えるとCBOは7月段階で予想した。関税収入の増加では完全に穴埋めできない計算になる。
スウェーゲルCBO局長によれば、8月以降の関税率修正も「予想される赤字圧縮効果を抑制した」という。
2025会計年度(24年10月-25年9月)の米財政赤字は1兆7800億ドルと、24会計年度の1兆8200億ドルからほぼ横ばいだった。連邦政府の借り入れ増加ペースが続けば、債務残高が29年までに第2次大戦後の最高記録を更新するとCBOは年初に警告していた。
原題:CBO Slashes US Budget Tariff-Savings Estimate by $1 Trillion(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.