(ブルームバーグ):米銀ゴールドマン・サックス・グループが先週主催した会議に出席するため、ケン・グリフィン氏やポール・シンガー氏らヘッジファンド界の大物たちがアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに集まった。

ゴールドマンのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)はシタデル創業者のグリフィン氏に対し、今年の新規株式公開(IPO)件数が期待を大きく下回っていると認めたが、それはこの集まりでの最も暗い話題ではなかった。
エリオット・インベストメント・マネジメントを創業したシンガー氏は、ドルが基軸通貨の地位を失うのではないかという懸念を示し、地政学的緊張が戦争に発展する可能性にも言及。非公開の会議だったことを理由に関係者が匿名を条件に明らかにした。
トランプ米大統領の関税による混乱が世界市場を揺るがし、数週間前まで同大統領の経済政策に期待していた運用ファンドに損失をもたらしている。ゴールドマンとシタデル、エリオットの担当者はコメントを控えた。
投資家が米国のリセッション(景気後退)リスクに備える中で、巨額の資金が集まる中東の魅力が増している。
ゴールドマンが開いた会議は、資金を持つ投資家とヘッジファンドを引き合わせることを目的としたもので、約100人のトレーダーと資金配分担当者がアブダビのアルマリヤ島に集まった。この島は金融機関が密集していることから「ヘッジファンドアイランド」とも呼ばれている。
過去数年にわたり、アブダビはウォール街の銀行や資産運用会社、マーシャル・ウェイスやブレバン・ハワード・アセット・マネジメントなど有名ヘッジファンドを呼び込んできた。隣接するドバイと共に、アブダビは金融センターとしての地位を築きつつある。

今回の会議ではバイキング・グローバル・インベスターズのアンドレアス・ハルボーセン氏やマーシャル・ウェイスのポール・マーシャル氏ら著名ファンドマネジャーも登壇。最近の相場混乱下での運用スタイルについて語った。
ステージ上の目立つスピーチに隠れ、実務交渉の多くが会場の周辺で展開されていた。1階のカフェでは、資金配分の責任者に対しファンドマネジャーが自社戦略を売り込む場面や、起業家が資金調達のため投資家と会談する様子が見られた。
原題:Goldman Gathers Rattled Hedge Fund Tycoons in Hunt for Gulf Cash(抜粋)
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