(ブルームバーグ):中東ドバイの高級住宅市場は1-3月(第1四半期)も勢いを保ち、1000万ドル(約14億円)超の物件の販売が再び記録を更新した。買い手の中心は引き続き世界中の富裕層だ。
不動産調査会社ナイトフランクによると、1-3月に売却された1000万ドル超の住宅は111件。総額は19億ドルで、前年同期比5.7%増えた。うち2500万ドル以上の物件は12件だという。
販売増は、トランプ米大統領の関税発表で4月に世界の市場が大きく変動する前まで、ドバイの不動産市場に旺盛な需要が続いていたことを浮き彫りにしている。
ドバイはアラブ首長国連邦(UAE)を構成する首長国で、中東の金融センターとしても存在感を高めている。

専門家は、ドバイの不動産市場が今後リスクに直面する可能性を警告。世界の超富裕層が市場の不透明感を受けて購入を控える恐れや、原油価格の下落による湾岸経済の減速懸念がある。
ナイトフランクの中東調査責任者ファイサル・デュラニ氏は1-3月の数値について、「世界の超富裕層がユニークで象徴的な物件を求める動きを反映している」と指摘。一方で、「世界の資産市場の混乱がドバイの不動産に波及するリスク」があるとの見方も示した。
「現時点ではまだ影響を見極めるには早過ぎるが、注視すべきは市場心理だ。センチメントの悪化はコントロールできるものではなく、常に警戒が必要だ」と述べた。
ドバイの不動産市場は2020年以降、政府の新型コロナウイルス対応やビザ(査証)規定緩和を背景に外国人投資家の流入で急成長してきた。
特にヤシの木の形をした人工島「パーム・アイランド」のウオーターフロント物件など、高級住宅市場は海外富裕層からの需要で活況を呈している。1-3月はパーム・アイランドの一角を占める「パーム・ジュメイラ」にある物件の人気が引き続き高かったという。
原題:Dubai Luxury Property Boom Hit New Record Before Tariff Turmoil(抜粋)
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