(ブルームバーグ):元財務官の山崎達雄氏は12日、今後の為替動向に関し、高市早苗政権の財政政策路線への理解が進むにつれ、円安基調は沈静化するとの見通しを示した。日本経済のファンダメンタルズを踏まえると円安は行き過ぎとみている。
ブルームバーグとのインタビューで語った。山崎氏は、長期金利の上昇や円安が続いてきたのは、高市政権が掲げる「責任ある積極財政」が海外投資家に正しく理解されていなかったことが背景と分析。今後は政策の趣旨が市場に浸透することで「財政に対する信認が戻ってくるだろう」と語った。
その上で、「長期金利のボラタイルな(値動きが激しい)状況は収まるだろうし、日本国債が売られることから来る円安も収まってくる」と予想。経済ファンダメンタルズの観点でみれば、円は「もっと強いと思う」との見方を示した。
山崎氏によれば、高市政権は長期金利の動向に留意している。だからこそ、消費減税の財源を巡って赤字国債を発行しないと明言しており、財政政策は「全く拡張的ではない」とも話した。
高市政権発足以降、長期金利は1.6%台から一時2.3%台に上昇し、円相場も1月下旬には1ドル=159円台まで円安が進んだ。衆院選では歴史的圧勝を収めた高市首相だが、急ピッチな金利上昇や過度な円安は今後の円滑な政策運営を妨げる要因となりかねず、市場はそのかじ取りを注視している。
12日の日本市場は超長期金利が急低下。過度な財政悪化懸念が和らいだ上、円安一服からインフレ懸念も後退し、残存期間の長い債券が買われた。新発10年債利回りは一時4.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い2.19%。新発40年債利回りは一時10.5bp低い3.62%を付けた。
山崎氏によると、一部のトレーダーは、高市首相の政権基盤が不安定なままで、野党の要求に応じて歳出を拡大せざるを得なくなると予想していた可能性があるという。
高いハードル
円相場を巡っては、1月下旬に3度にわたって急騰する場面があった。財務省のデータでは、2025年12月29日から1カ月間に円買い介入はなかったことが示されたが、日米通貨当局が参考となる為替レートの提示を求めるレートチェックを実施したとの観測が浮上していた。
現在、国際医療福祉大学で特任教授を務めている山崎氏は、03年から04年にかけて日本が35兆円規模の円売り介入を実施した当時、財務省の為替市場課長を務めていた。
先月実施されたとみられるレートチェックについては、ヘッジファンドによる投機的な円売りポジションの一部解消に「極めて効果的だった」と指摘。その上で、「このレベルからさらに円を高める介入をやっていく必要は全くない」と語った。
13日午前9時時点の円相場は152円台後半で推移。拡張的な財政への懸念などから1月には159円台まで円安が進んでいた。
山崎氏は、米国が輸出競争力強化につながる自国通貨売りをしないよう他国に求めている状況で、自らの勘定でドル売りをする日米協調介入は「ハードルが非常に高い」との見方も示した。
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.