(ブルームバーグ):金価格は22日、1オンス=3500ドルを初めて突破した。トランプ米大統領がパウエル連邦準制度理事会(FRB)議長解任に踏み切るのではないかとの懸念を受け、米国の株式や国債、ドルから資金が引き揚げられる中で金が買われている。
金スポット価格は一時2.2%上昇。前日は2.9%高だった。トランプ氏が米金融当局に対し、直ちに利下げするよう迫り、これが中央銀行の独立性を脅かす動きと受け止められた。

カラニッシュ・インデックス・サービシズのアナリスト、リー・リアン・レー氏は「市場がこれまで以上に米国への信頼を失っていることを今年の金急騰が示している」と指摘。「『トランプトレード』という物語が『米国売り』という物語に変わってきている」との見方を示した。
トランプ政権が仕掛けた貿易戦争を巡りドル資産への信頼が損なわれ、金相場は今年に入り急伸。伝統的な安全資産としての役割が強調され、金を裏付けとする上場投資信託(ETF)への資金流入や各中銀による買いがこの上昇を支え、金は毎月値上がりしている。
トランプ氏は21日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、パウエル議長について「ミスター・トゥー・レイト(遅過ぎる男)という、とんでもない負け犬が今すぐ金利を下げなければ、経済は減速する恐れがある」と主張し、即時利下げをあらためて要求した。
原題:Gold Hits $3,500 as Trump’s Fed Broadside Sparks Flight to Haven(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.