原油相場は21日に大幅反落。トランプ米大統領が金融政策を巡ってパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長への批判を強め、金融市場が揺らいでいる。米中の貿易戦争が拡大し、エネルギー需要に対する懸念が高まっていることも相場下押しの要因だ。

ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は一時、前営業日比3.5%下落し、日中ベースで約2週間ぶりの大幅安。

トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、パウエル議長が今すぐ利下げに動かなければ米経済は減速する可能性があると述べた。

また、中国政府は、米国と交わす貿易協定が中国の利益を損なうものであってはならないと各国に警告。石破茂首相は、米国の要求に対して日本が何でも譲るわけではないとの姿勢を示した。

この日は金融市場全般にわたってリスクオフ・モードとなり、商品市場も多くが影響を受けている。ドル指数は2023年12月以来の安値に沈んだ。

一部の国がイースター休暇中であることや、WTI先物5月限が22日に取引最終日を迎えることから商いは低調だ。

エミレーツNBDの調査責任者、エド・ベル氏は「全般的なリスクオフの動きで、原油は一段安となっているようだ」と指摘。原油需要と世界的な経済成長の見通しが下方修正されていることを挙げ、「原油を取り巻くムードは依然として悲観的にみえる」と述べた。

原題:Oil Declines as Trade War Escalates, Trump Takes Aim at Fed(抜粋)

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