インド経済に対するトランプ関税のマクロ的な影響が他のアジア新興国に比べて小幅に留まるとの見方があるなか、足元の国際金融市場はトランプ関税の発表以降の混乱の動きが一巡しつつあることも重なり、インドの通貨ルピーの対ドル相場や主要株式指数(ムンバイSENSEX)は調整の動きが一服するとともに、底入れするなど一連の混乱の影響を克服しつつある。こうした動きは、上述したようにトランプ関税によるインド経済への影響が他のアジア新興国経済に比べて軽微に留まるとの見方を反映して、金融市場においてインドがアジアでの勝者になれるとの期待を反映している可能性がある。ただし、そうした楽観的な見通しが具現化するためには、インド経済が直面する様々な課題をクリアする必要がある。
