(ブルームバーグ):米トランプ政権の関税政策を巡り日本国債市場が大きく変動する中、海外のヘッジファンド2社が投資銀行から円金利デリバティブのトレーダーを採用することが分かった。事情に詳しい関係者が明らかにした。
英ヘッジファンドのキャプラ・インベストメント・マネジメントはドイツ証券の舞原正彦氏を採用する見通しだと、事情に詳しい関係者が明らかにした。また、シンガポールを本拠とするダイモン・アジア・キャピタルは、英銀バークレイズから亀山周明氏を採用したと別の関係者が述べた。非公開情報だとしてが匿名を条件に語った。
キャプラ、ドイツ銀行、ダイモン、バークレイズの担当者はいずれもコメントを控えた。
トランプ米大統領による関税発表を受け世界の債券市場に激しい変動が生じている。日本国債の価格変動率は最近、昨年10月以来の高水準に達している。投資家の間では、日本政府が財政出動を迫られ、日本銀行が利上げを先送りするとの見方が強まり、イールドカーブはスティープ化した。
今回の混乱で、少なくとも1人の円金利トレーダーが職を失った。米投資会社エクソダスポイント・キャピタル・マネジメントは小幅な損失を出したポートフォリオマネジャーのドミトリー・バルザック氏を解雇したと、ブルームバーグは今月報じた。
この混乱以前、日本の国債市場では日銀による金利引き上げを受けて取引が活況を呈していた。こうした中、ヘッジファンド各社は利益獲得の機会を求め、投資銀行や証券会社の円金利トレーダーを多数採用していた。
人材争奪戦がどこまで続くのかは不透明だが、米国主導の貿易戦争が相場を大きく動かす中、ヘッジファンド各社の金利トレーダーに対する需要は強い。
亀山氏は、ダイモンでサブマネジャーとしてポートフォリオ運用に携わる見通しだと、関係者は述べた。同氏はバークレイズで円やその他通貨の金利オプション取引を担当していた。
舞原氏は、東京拠点で円スワプションと呼ばれる金利関連のデリバティブ取引を担当するトレーダーで、2013年にバンク・オブ・アメリカ(BofA)からドイツ証券に加わった。
原題:Hedge Funds Snap Up Yen Rates Traders as Tariffs Rock Markets(抜粋)
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--取材協力:Bei Hu、Nishant Kumar.
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