(ブルームバーグ):S&Pグローバル・レーティングは18日、ギリシャの信用格付けを「BBB」に引き上げ、格付け見通しを「安定的」とした。
「BBB」はジャンク級の2段階上の格付け。過去1カ月余りの間に他の格付け会社2社もギリシャを格上げしていた。ギリシャ経済の回復と債務見通し改善を格付け各社が引き続き評価する状況が反映された。
S&Pは「厳しい外部環境にもかかわらず、大部分のシナリオで、ギリシャの純債務残高の国内総生産(GDP)比率は着実に低下していくと予想される。当社の中心シナリオは同比率が今後4年で年平均6ポイントずつ下がると予測している」と説明した。

ギリシャのミツォタキス政権の経済政策は投資家からも歓迎されてきた。ミツォタキス首相は財政規律を引き続き重視し、基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字を維持する姿勢を示す。
新型コロナ禍以後のギリシャのGDP成長率は多くのユーロ圏諸国を上回り、2024年に2.3%を記録。純債務もこの間に減少した。
ミツォタキス首相は、債務危機の救済融資の一部前倒し返済を今年行う方針だ。2033-42年に償還期限を迎える長期債務のうち、少なくとも50億ユーロ(約8100億円)を前倒し返済する予定だと昨年11月のブルームバーグとのインタビューで語った。
格付け各社は23年にギリシャの格付けを投資適格級に引き上げ始めた。1カ月前にはムーディーズ・レーティングスが主要格付け会社として最後に投資適格級に変更した。
原題:Greece’s Rating Upgraded by S&P on Economic Strength(抜粋)
--取材協力:Sotiris Nikas.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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