(ブルームバーグ):投機筋が円に対してこれまでで最も強気になっている。トランプ米大統領の関税懸念で米国資産が売られ、安全資産への需要が高まっていることが背景にある。
米商品先物取引委員会(CFTC)の最新データによると、15日までの1週間にレバレッジファンドとアセットマネジャーの円のネットロング(買い)ポジションが過去最大になった。同時にドルの弱気ポジションは増えた。
今週開催予定の日米財務相会談を前に、円相場は21日に対ドルで昨年9月以来の高値を更新した。トランプ氏が米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長を公に批判し、解任の可能性について検討しているとの報道を受け、ドル売りが勢いを増した。
貿易戦争を巡る不確実性が安全資産の需要を後押しする中、円はドルに対して3週間連続で上昇した。みずほ証券は関税の影響などを踏まえて年末のドル・円予想を1ドル=133円と従来(145円)よりも円高方向に修正。野村ホールディングスも137円50銭にこれまでの140円から見直した。
マーケット・リスク・アドバイザリーの深谷幸司フェローは、「これだけ不透明感が高くボラティリティーが高い状況では、金利差の重要度は低下する」とリポートで指摘。為替政策に関して日本が円高を許容し、米国はドル安・円高を期待する状況であることから、円買いのリスクは低く、「むしろ円売り・ドル買いにリスクがあるとみられるのは自然だ」との見方を示した。
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