(ブルームバーグ):金スポット価格が21日、1オンス=3430ドルを超えて史上最高値を更新した。トランプ米大統領によるパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長に対する批判や、長期化が予想される貿易戦争への懸念を受け、安全な逃避先として金に需要が集まっている。
ドル指数が2023年末以来の安値となる中、金スポットは一時、前営業日比3.1%高の3430.31ドルを付けた。
ハセット米国家経済会議(NEC)委員長は18日、トランプ大統領がパウエル議長を解任できるかを検討していると述べた。シカゴ連銀のグールズビー総裁は20日、FRBの独立性を制限する動きに警鐘を鳴らした。
オーバーシー・チャイニーズ銀行のストラテジスト、クリストファー・ウォン氏は「パウエル議長を解任すれば中央銀行の独立性という原則を損なうだけでなく、米国の金融政策を政治的にするリスクがあり、市場は不安を抱くだろう」と指摘。
FRBへの信頼性が疑問視されればドルの信任が損なわれ、金を含む逃避先資産への資金流入が加速する可能性があると述べた。

金を裏付けとする上場投資信託(ETF)による金の保有は、12週間連続で増加し、2022年以降で最長となっている。各国・地域の中央銀行も外貨準備の一部として金の保有を増やしており、世界的に堅調な需要を支えている。
貿易面では、中国政府が各国に対し、米国と交わす貿易協定が中国の利益を損なうものであってはならないと警告した。
原題:Gold Hits Record as Dollar Sags and Trade War Concerns Persist(抜粋)
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