ドイツ銀行によると、トランプ米大統領の大規模な関税措置で米国資産離れが進む中、中国顧客は米国債保有を一部削減し、欧州債にシフトしている。

中国マクロ・グローバル新興市場セールス責任者のリリアン・タオ氏はインタビューで、「中国人投資家のポートフォリオで米ドルからの分散投資が一部見られる」と述べ、他の市場への関心が高まっており、特に欧州が注目されていると指摘。中国法人顧客の海外市場投資では、米国債の代替として欧州の高格付け債、日本国債、金が潜在的な選択肢となりそうだと語った。

トランプ氏が世界の貿易相手国に広範囲な関税措置を打ち出したことから、ドル建て資産は安全資産としての位置付けが疑問視され、ここ数週間にわたり打撃を受けている。

中国は米国債保有残高で海外勢2位で、最近の市場混乱を巡るアナリストの議論の中で同国の影響力が注目された。ただ、ベッセント米財務長官は今週、外国による米国債売却の臆測を否定した。

タオ氏によると、複数の中国顧客は米国債相場急落を受けて現在の利回りが極めて魅力的だと受け止めている。しかし、米国の政策が一段と予測しにくくなる中で彼らは「今が良い買い時なのか、急落中のものをつかむだけなのか」と極めて慎重な姿勢になっていると付け加えた。

原題:Deutsche Bank Sees More China Clients Moving Out of US Assets(抜粋)

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