金相場は17日、再び過去最高値を更新した。貿易戦争の影響を巡るパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の警告が金融市場のボラティリティー(変動性)を高め、株式相場やドルは下げ、安全資産への需要が高まった。

金相場は一時0.4%高の1オンス=3357.78ドルを付けた。16日は3.5%高と、2023年3月以来の上昇率を記録していた。

相次ぐ関税関連のニュースに市場が揺れる中、ドルは6カ月ぶりの安値を記録。米金融当局が投資家を安心させるため早期に動くといった期待は、パウエル議長発言で後退した。

金は年初来で28%近く上昇。24年の27%上昇率を上回る。貿易戦争激化で世界的なリセッション(景気後退)懸念が生じていることが背景にある。

ANZリサーチのアナリスト、ブライアン・マーティン、ダニエル・ハインズ両氏は、関税を巡る不透明感の高まりや経済成長の減速見通し、インフレ懸念、金利引き下げ可能性の高まりによって、「金がさらなる上昇を記録する完璧な背景が整った」とリポートで指摘した。

シンガポール時間午前6時57分(日本時間同7時57分)時点で、金は0.3%高の3351.79ドル。

原題:Gold Hits Fresh Record as Trade War, Powell Fire Up Haven Demand(抜粋)

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