米ホワイトハウスは15日、これまで通信社に認めていた代表取材への参加枠を廃止すると発表した。AP通信とロイター通信、ブルームバーグ・ニュースのいわゆる「プール取材」を通じた活動が大きく制約される。

大統領執務室や大統領専用機エアフォースワンの機内ではスペースが限られ、大統領への取材は報道陣の中から選ばれた代表が行うプール形式となっている。

米連邦地裁は先に、ホワイトハウスが代表取材できる報道機関からAP通信を締め出した問題を巡り、取材禁止措置の仮差し止めを命じていた。ホワイトハウスの不服申し立てにもかかわらず、連邦高裁は仮差し止め命令の撤回には至らなかった。

ブルームバーグのジョン・ミクルスウェイト編集主幹は「何十年にもわたり通信社が毎日プレスルームに常駐することで、米国および世界中の投資家や有権者は、大統領の発言や行動に関する正確なリアルタイムの報道への信頼が保証されてきた」とし、ホワイトハウスの決定は「極めて遺憾」だとコメントした。

トランプ政権はメキシコ湾として歴史的に知られてきた海域を「アメリカ湾」と改称したが、APがメキシコ湾との表記を続けていたため、2月にAPの取材を制限していた。

ホワイトハウスのレビット報道官がこの日公表した新たなガイドラインでは、これまでイベントごとに大統領を取材してきた通信社はイベント取材に「選ばれる資格がある」という位置付けに変更された。

ホワイトハウスは通信社専用のスペースを廃止する一方で、紙媒体の記者やテレビネットワークのクルー、ラジオジャーナリスト用のスペースは維持。また、「ニューメディア」と見なすジャーナリストやストリーミングサービス、フォトジャーナリスト用のスペースも提供する。

ホワイトハウスによれば、レビット報道官が「プール取材参加者の構成を決定する日常的な裁量を保持する」という。

ホワイトハウス記者会(WHCA)のユージン・ダニエルズ会長はプール取材ガイドラインの変更について、「これは、気に入らない報道をした報道機関への報復だ。ホワイトハウスは、同じことを新たな手段で行っているに過ぎない」との見方を示した。

原題:White House Moves to Limit Newswire Access After AP Lawsuit Win(抜粋)

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