(ブルームバーグ):16日の欧州債券市場は、米国の関税による世界経済への影響懸念が重しとなって、より安全な資産を求める動きが強まり、欧州の国債が買われた。3月のインフレ率低下が確認された英国では、利下げ観測が拡大し、ほとんどの英国債が上昇した。
ドイツ10年債利回りは、一時6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下落し2.48%となった。2年債は2bp下落した。
英2年債利回りは、3月の消費者物価指数(CPI)が発表され、2カ月連続でインフレ率が下落したことがわかると、一時7bp低い3.89%をつけた。その後の取引で、2年債の上昇分は解消された。英10年債の利回りは8bp下落し4.57%となった。
短期金融市場は、イングランド銀行(英中央銀行)の年末までの利下げ幅の見通しを、一時87bpまで拡大した。14日時点では75bpだった。
欧州中央銀行(ECB)の17日の政策委員会会合については、25bpの利下げが行われるとの予想が大勢だ。市場は、米国の関税がユーロ圏経済に及ぼす影響について、ラガルド総裁の発言に注目している。
欧州株は若干下落し、取引を終えた。ストックス欧州600指数は、0.2%下落した。一時は1.4%下落していたものの、中国が、米国が求める措置を取れば貿易交渉に臨む用意があると示唆したとの報道を受け、下げ幅を縮小した。
部門別では、テック株が最も下落した。米国が、エヌビディアの中国向けに設計されたAIアクセラレータ「H20」製品に輸出規制をかけたことで、貿易戦争を巡り中国への姿勢が変わらないことが意識された。
4月16日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)
原題:Bunds Rise as Tariff Risks Fuel Haven Demand: End-of-Day Curves、European Stocks Trim Losses as China Sees Potential for US Talks(抜粋)
--取材協力:Michael Msika、Kit Rees.
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