(ブルームバーグ):トランプ米大統領がカリフォルニア州の気候変動対策を批判する中で、同州のニューサム知事は温室効果ガスの排出削減対策プログラム「キャップ・アンド・トレード制度」の期限延長を目指している。
2030年に期限が切れるこの制度は、企業に対し二酸化炭素(CO2)の年間排出量で上限を課す仕組み。上限を超えた場合には排出枠の購入を認めている。
知事側が15日発表したところによれば、昨年時点で同制度から280億ドル(約4兆円)の投資資金が州全体で得られている。
30年以降も同制度が存続するかどうか企業は確信を持てず、最近では排出枠の価格が下落。ニューサム知事らは、期限を延長すれば排出枠が再び値上がりし、企業も排出削減へのインセンティブを得て、気候変動対策により多くの資金が集まるとしている。
同知事はカリフォルニア州のマグワイア上院議長とリバス下院議長との共同声明で、「キャップ・アンド・トレード制度は排出企業に責任を負わせることで、この10年間だけでも大気浄化や公衆衛生の保護、新たなキャリアの推進に役立つプロジェクトに数十億ドルを投資してきた」とコメントした。
トランプ大統領は先週、気候変動対策を定めた州法はエネルギーコストを押し上げ、国家安全保障を脅かすと主張し、ボンディ司法長官に施行停止を命じる大統領令に署名した。
この中で特にカリフォルニア州のキャップ・アンド・トレード制度を名指しで批判したが、ニューサム知事は「大統領令を装った見せかけのプレスリリース」だと一蹴した。
同制度の気候変動対策としての効果を疑問視する向きもある。多くの環境保護団体が、石油・ガス業界に無料で提供されている排出枠の廃止など大幅な変更を求めるよう議員らに働きかけている。
原題:Newsom Defends California Pollution Plan in Face of Trump Attack(抜粋)
--取材協力:Andrew Oxford.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.