トランプ氏が為替に言及する可能性も

第一次トランプ政権の時もそうだったのですが、日本に対して関税をかけたとしても、対米輸出は中々、減らないわけですよ。

そうなった時に、トランプ氏も言及し始めましたけど「為替はどうなんだ」という議論が出る可能性があって、そこがやはり日銀にとっては結構厄介な話かもしれないと思います。

世界的に見て日本円は通貨安というところで、トランプ政権からすると“言いがかり”をつけやすいわけですよね。

要するに金利を非常に人為的に下げて、為替は円安に誘導していると。

ですから短期的に日銀が正常化する上で、やはり急激に円高になってしまう、あるいは、2%の物価目標の達成という話も全然ストーリーが違ってきてしまう事もあるので、結構、難しい話になりうるかなと思います。

日銀が発表した過去25年間の金融政策の多角的レビューの中でも、日本経済にとって一番の問題は、何か外的ショックが起こった時に、他国に比べて、そこから立ち上がるのに時間がかかったと。

そういう事があるので、せっかく日銀にとって良い環境になってきているのに、これが崩れてしまうことに対して極めて警戒的というのは十分、理解できると思います。