トランプ関税の影響で世界同時株安の連鎖が続いています。強引な経済政策を押し進めるトランプ政権の今後と日本経済への影響は?日銀に20年以上勤務し、植田総裁が審議委員の時には専属スタッフも務めた野村総合研究所シニアチーフリサーチャーの井上哲也氏に話を聞きました。
景気・マーケットが歯止めをかける?
アメリカの景気がそれなりに強い中での関税政策なので、どちらかというと物価を押し上げる方向に行くわけですよね。
少し長い目で見た場合には、インフレ圧力の次に出てくるのは景気がもしかしたら下押しするかもしれないという懸念が、徐々に力を増していく可能性がある。
本当に景気が落ちたら大変なことになりますし、トランプ氏としても、共和党としても、次の中間選挙である2026年11月まで時間がないわけです。
その点を考えるとマーケット、あるいは景気が、トランプ氏のやりたい事にある程度、歯止めをかけるという事も期待できる。
関税についてトランプ氏は非常に信念を持っていますから、絶対に止めないと思いますけど、事実上、「骨抜き」にされていくことはあり得ると思いますね。