(ブルームバーグ):17日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=148円台後半でもみ合い。日米株高によるリスク選好や実需の円売り・ドル買いが観測される半面、米国の重要指標の発表を控えて円の下値は限定的だ。
外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は、先週末からリスクオンの流れで円売りが先行しており、円ロングポジションの整理もあっただろうと指摘する。もっとも、149円台前半は先週からドルの上値抵抗水準として意識されている上、注目度の高い米小売売上高の発表を日本時間夜に控えており、「アジア時間は上にも下にも動きづらい」と述べた。
りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは、積み上がった円ロングポジションの巻き戻しがいつ起きるのかが注目されていると指摘。日本銀行が今週開く金融政策決定会合では政策据え置きが予想されるものの、「植田和男総裁が次の利上げをどのように考えているのか会見で確認する必要があり、週初から円売りが力強く進む感じはない」と述べた。
投機筋の円買いポジションは歴史的な水準まで積み上がっている。米商品先物取引委員会(CFTC)によると、アセットマネジャーのドルに対する円の買越幅は11日時点で8万4960枚と、2021年2月以来の高水準を更新。レバレッジドファンドによる円の売り越しは3104枚と引き続き小幅にとどまった。
外為どっとコム総研の神田氏は、市場の日銀利上げ期待に前のめり感があるとした上で、植田総裁が次の利上げを示唆することは考えにくく、「期待が失望に変わる可能性があり、リスクは円安方向」とみている。

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