(ブルームバーグ):南アフリカのラモラ国際関係・協力相は18日、米国抜きでも世界と20カ国・地域(G20)は前進すると述べるとともに、トランプ米政権による南ア批判は「白人至上主義」に基づくものだと反論した。
ラモラ氏はヨハネスブルクで開かれた第1回「ブルームバーグ・アフリカ・ビジネスサミット」で、「イデオロギー的偏見のため耳を傾けない」米政府は「白人至上主義のアジェンダを取り入れた」見方をしていると語った。
ヨハネスブルクではアフリカ大陸で初めてとなる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が今週末に開かれる。
トランプ大統領は南アではオランダ系移民を中心とするアフリカーナーの農民が虐殺の対象になっているという虚偽の主張を続けており、今回のG20サミットを米国としてボイコットすると先に表明。トランプ政権はアフリカーナーに難民資格を与える方針を示し、南アからの一部輸入に30%の関税を課している。
「これは人種に基づく政策的な大統領令だ」とラモラ氏は述べ、「アフリカーナーは迫害されておらず、ジュネーブ条約の難民資格には該当しない。明らかに恐怖をあおるアジェンダを推進するものだ」と指摘した。

ホワイトハウスのケリー報道官は、トランプ氏が今後もこの問題を提起し続ける方針だと説明。「アフリカーナーに対する迫害には広範な証拠がある。最も重要なのは、差別を受けた当人たちの証言だ」と述べた上で、「彼らが経験した差別と迫害の痛ましい物語にラモラ氏は耳を貸すべきだ」と主張した。
原題:South Africa Pushes Back Against US ‘White Supremacy’ Agenda(抜粋)
--取材協力:Paul Richardson、Alister Bull、Mario Parker、Monique Vanek.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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