(ブルームバーグ):イーロン・マスク氏の慈善団体、マスク財団が2024年に過去最大の4億7400万ドル(約736億円)を寄付したことが分かった。大半の寄付先は、マスク氏関連の団体だった。
納税申告書によると、マスク財団は約3億7000万ドルを非営利団体「ザ・ファウンデーション」に拠出した。マスク氏が設立した同団体は科学・技術・工学・数学(STEM)教育に重点を置いた小中学校の設立を目的としている。また、フィデリティ・チャリタブルのドナー・アドバイズド・ファンド(DAF)にも3500万ドルを拠出した。DAFは、実際に寄付する前に税控除の恩恵を受けられる仕組みだ。
残りの資金は、医療や災害救援、教育関連の複数の非営利団体に贈られた。
マスク財団の資産総額は昨年147億ドルとなり、一昨年から55%増加した。マスク氏と、同氏のファミリーオフィスを運営するジャレッド・バーチャル氏にコメントを求めたが、すぐに返答はなかった。
そのほか、ロサンゼルス・ホロコースト博物館や欧州ユダヤ人協会(EJA)にも寄付を行った。マスク氏はX(旧ツイッター)への反ユダヤ的投稿を容認しているとの批判を受けた後、今年、ナチス・ドイツのアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所跡を訪問していた。
マスク氏はこれまでも、自身が実質的に支配する団体やDAFを通じた寄付に重点を置いてきた。マスク氏は2016年以降、フィデリティ・チャリタブルおよびバンガード・チャリタブルに設けた自身の寄付口座に計約1億7500万ドルを拠出してきた。
原題:Elon Musk Gave Away $474 Million in 2024, Mostly to His Entities(抜粋)
--取材協力:Ben Steverman.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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