日本のコンテンツ産業、特にアニメとゲームは世界的に注目を集め、急成長を遂げている。しかし、その裏で、業界の労働環境に関する深刻な問題が浮き彫りになっている。ブルームバーグ記者の望月崇氏と横山桃花氏による取材から、日本のアニメ・ゲーム産業の現状と課題、そして将来の展望について詳しく見ていく。

「搾取」という言葉すら軽い? 声優業界の劣悪な労働環境
望月氏は声優業界の労働環境について、「搾取という言葉でも生ぬるい」と厳しい評価を下す。1年間にわたる取材を通じて、業界の実態が自身のイメージをはるかに超えて劣悪だったことを明かした。

声優たちは以下のように搾取されているという:
1)制作側からの搾取:仕事の発注が口頭や電話などをベースに行われ、給与額も明確にされないまま仕事を引き受けざるを得ない状況がある。
2)事務所からの搾取:事務所が制作会社から受け取った報酬を声優に正確に伝えず、一部をプールする行為や、高額なレッスン料を徴収するなどの問題がある。
望月氏は「声優さんに関しては四面楚歌というか、もう改善の兆候すら見えない」と指摘し、業界全体の構造的な問題を浮き彫りにしている。