「成長ポテンシャルは依然として高い」

労働環境の問題が山積する一方で、日本のコンテンツ産業、特にアニメとゲームの成長ポテンシャルは依然として高い。

望月氏は「アメリカでは、今までアニメを見て育ってきた人たちが20代、30代になってお金を使う世代になった」と指摘。さらに、中東やインドなどの新興市場でも、10〜20年のタイムラグを経て同様の現象が起きると予測している。

横山氏もコンテンツ関連銘柄が「セクターとしてかなり注目していたエリア」だと語る。特に、ゲーム関連株は景気の変動の影響を受けにくく、米トランプ政権の関税政策などで経済の不確実性が高まる中でも安定した投資先として評価されているという。

望月氏は「アニメもそうだし、グッズもそうですよね。そして“聖地”にみんなで旅行に行って、そこで消費をする」と、コンテンツ産業の波及効果の大きさを指摘。「日本の経済全体を盛り上げるポテンシャルを持っている」と強調する。

成熟した産業への進化が鍵

日本のアニメ・ゲーム産業が世界的な成長を続け、その潜在力を最大限に発揮するためには、労働環境の改善と産業構造の成熟化が不可欠だ。横山氏は「やはり将来のアニメの担い手を育成していくことがカギになっていく」と指摘し、人材育成の重要性を強調する。

一方で、産業全体の構造改革も必要だ。企業の統合やバックオフィス機能の強化など、より効率的で持続可能な産業構造への転換が求められる。