資産家イーロン・マスク氏は、「米国が欧州の防衛費を負担するのは筋が通らない」と自身のソーシャルメディアX(旧ツイッター)に投稿し、米国の北大西洋条約機構(NATO)脱退を支持する考えを示した。

「NATOから今すぐ脱退すべきだ!」と主張する9日のある投稿に対し、トランプ米大統領の上級顧問を務めるマスク氏は「本当にそうすべきだ」と反応した。

米テスラの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のマスク氏は3日にも、米国がNATOと国連の両方から脱退すべきだという保守派コメンテーターの提案に同意する考えを投稿していた。

4月に創設76周年を迎えるNATOの将来は危機にさらされている。欧州首脳は先週の緊急会合で、防衛費の大幅増額を目指す方針を表明した。

米テレビ局NBCは6日、トランプ氏が側近らと米国のNATOへの関与を調整する可能性について協議しており、国内総生産(GDP)の一定割合を防衛費に充てる同盟国を優遇する方針を検討していると報じた。

トランプ氏は同日に記者団に対し、防衛費を十分に支払わないなら守るつもりはないとNATOの同盟国に伝えたと語った。

「これは常識だ、そうだろう?」とし、「彼らが支払わないのなら、守るつもりはない」と述べた。

米国では2023年成立の法律の下で、上院の3分の2の賛成もしくは議会制定法がなければ、大統領が一方的に同盟から離脱することはできない。

 

原題:Musk Calls on US to Quit NATO, Stop Paying for Defense of Europe(抜粋)

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