(ブルームバーグ):10日の東京株式相場は上昇。米国の雇用統計が市場予想を下回り、米国経済の先行き不透明感から医薬品や食料品などディフェンシブセクターが堅調だ。ゴム製品や鉄鋼も買われている。
一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が米経済は良好との見解を示し、投資家は米景気の現状を判断しにくい状況にある。為替の円高も電機などの重しになり、主要株価指数は下げる場面もある。
SMBC日興証券投資情報部の太田千尋部長は、雇用統計が低調だった上、米政権による鉄鋼とアルミニウムへの関税発効を12日に控えて市場では米国経済が悪化するのではないかとの見方が広がっていると指摘。次に何が起こるか分からず、投資家が今資金を動かすインセンティブはないと述べた。
連合が14日に公表する2025年春闘の第1回回答集計結果が警戒されている可能性もあると太田氏はみている。大幅な賃上げとなれば日本銀行の追加利上げ観測が強まり、円高・株安につながり得ると話した。
個別ではセブン&アイ・ホールディングスが一時3.6%上昇した。株主である米資産運用会社がセブン取締役会宛ての書簡で、カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールと「より深く」関与すべきだとの考えを示した。
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- 東証33業種中24業種が上昇、鉱業が上昇率トップ、その他製品は下落率トップ
- MSCIアジア太平洋指数は0.2%安
--取材協力:横山桃花.
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