(ブルームバーグ):中国の消費者物価指数(CPI)は先月、1年1カ月ぶりの下落に転じた。季節要因による統計上のゆがみがあるものの、世界2位の経済大国が直面しているデフレ圧力の根強さを示している。
国家統計局が9日発表した2月のCPIは前年同月比0.7%低下した。1月は0.5%上昇、ブルームバーグが調査したエコノミストの予想中央値は0.4%低下だった。
2月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比2.2%低下。1月の2.3%低下からマイナス幅が縮小したが、2年5カ月連続の前年割れとなった。
今年は春節(旧正月)の連休期間が昨年より早く、これが統計に影響したもよう。今年の春節連休は1月28日-2月4日。昨年は2月中だった。
中国政府は2025年のインフレ率目標を2%前後と、ここ20年余りで最も低い水準に設定。最高指導部がようやくデフレが経済を圧迫していると認識したことを示す兆候だ。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の朱懌エコノミストはリポートで、「物価上昇圧力の弱さは今後も続くだろう。政府が25年のCPI上昇率目標を2%にしたことは、デフレリスクを回避するため需要喚起を優先させるというシグナルだ」と指摘した。
政府による経済再活性化の緊急性が高まっている。北京で5日開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、米国との貿易戦争激化の脅威にもかかわらず、今年も5%前後との野心的な経済成長率目標を発表。政府は財政刺激策を強化し、国内消費を増やす計画も打ち出している。
原題:China Consumer Inflation Drops Below Zero for First Time in Year(抜粋)
--取材協力:Yujing Liu、Tian Ying.
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.