ユーロ圏のインフレ率は継続的に低下し続けるより、欧州中央銀行(ECB)の目標値を上回る水準にとどまる公算が大きいとの認識をシュナーベル理事が示した。

独紙ハンデルスブラットに8日掲載された記事によれば、同理事は消費者物価指数の見通しに対する懸念を表明、「インフレ率が予想以上に2%を上回る状態が長引くリスクは、2%を継続的に下回るリスクよりも高い」と述べた。

ECB政策委員会は利下げを一時停止するかどうかについて、4月の会合で重要な判断するとみられる。

シュナーベル理事

ECBは6日、中銀預金金利の0.25ポイント引き下げを決定。シュナーベル理事の発言は4月の追加緩和に自身として反対する見通しを示唆している。

欧州各国は防衛セクターに巨額の投資を準備。ドイツもインフラ支出の増強を計画している。

同理事はハンデルスブラットの記事で、こうしたリスクが今後の金利動向に及ぼす影響について詳しく説明していないが、財政出動の見通しが浮上する前から、政策金利がこれ以上大きく下がることはないと示唆しており、2月25日には「われわれの政策が景気抑制的だともはや自信を持って言うことはできない」と述べていた。

 

原題:ECB’s Schnabel Signals Inflation Concern in Rate Debate Salvo(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.