(ブルームバーグ):ミレニアム・マネジメントの2つのチームが今年これまでに約9億ドル(約1330億円)の損失を出したことが、事情に詳しい複数の関係者の話から明らかになった。これらチームは、さまざまな株価指数にどの企業が採用・除外されるかに賭ける「インデックス・リバランシング」と呼ばれる戦略を取っており、最近の世界的な株価急変動で打撃を受けた。
同関係者らによれば、2チームのうち、より規模の大きいSRBLをグレン・シャインバーグ氏が率い、もう一つのチームはドバイ在勤のプラティク・マドバニ氏が管理している。ミレニアムの担当はコメントを控えた。
インデックス・リバランシング戦略は高いレバレッジを効かせることが多い。ミレニアムなどマルチマネジャー型ヘッジファンドにとって利益の大きい戦略となり得る。
ただ、市場の不安定化と取引の集中が重なると、たとえポートフォリオマネジャーが正しい銘柄に賭けていたとしても、大きな損失が発生する可能性もある。
事情に詳しい関係者1人によれば、インデックス・リバランシング取引を専門としていた香港在勤のシニアポートフォリオマネジャー、ジェレミー・マー氏がミレニアムを退社した。マー氏にソーシャルメディアを通じてコメントを求めたが、返答はない。
インデックス・リバランシング戦略は2022年を含め、過去にもリターンを悪化させたことがある。
あるファンドマネジャーは、1998年にはわずか12社がこの取引を行っていたと推定している。その数は近年、少なくとも50社に膨れ上がったが、その後リターンの悪化で一部のトレーダーは離脱した。
ただ、利益を大きく膨らませることもあり得る。シャインバーグ、マドバニ両氏のグループは昨年、いずれも利益を上げていた。
総額約750億ドルの資産を運用するミレニアムは、今回の損失にもかかわらず、今年2月までのリターンは1%未満のマイナスにとどまっている。
原題:Millennium Loses $900 Million on Strategy Roiled by Market Chaos(抜粋)
--取材協力:David Scheer.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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