7日の取引では、ドイツ債に対する売りがやみ、動きは落ち着きを取り戻した。それでも週初からの下げ幅はドイツ統一以降最大となる見通しだ。

ロンドン時間午前の取引で、ドイツ10年債利回りは前日終値からほぼ変わらずの2.83%前後で推移している。前日に同利回りは2023年以来の高水準を付けていた。週初からの利回りの上昇幅は依然として40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を超えており、終値ベースでは週間で1990年以来の大きさを記録しそうだ。

ジェフリーズの欧州担当チーフエコノミスト兼ストラテジスト、モヒト・クマール氏は、ドイツ10年債利回りが2.75%に向かって戻るだろうと予想。「その水準で、財政期待は既に金利に織り込み済みだと言えるだろう」と語った。

ドイツ債は伝統的に欧州で最も安全な資産と考えられてきたが、次期首相就任が確実視されるメルツ氏が今週、財政支出拡大にかじを切る歴史的な方針転換を発表し、大幅な売りに見舞われた。投資家はドイツに国債の増発を長らく求めてきたが、今後数年に予想される発行増加の見返りに、より高いリターンを要求し始めた。

 

ドイツ債利回りが一段と上昇し、3%を付ける可能性もあるとみるストラテジストもいる。そうなれば、2011年以降で1度しか見られていない水準となるが、一部の投資家にとっては買いのシグナルに映る。

ベアリングスのポートフォリオマネジャー、ブライアン・マングウィロ氏は、「市場は落ち着き、再評価するようになる公算が大きい」と述べ、「ドイツ債利回りが3%近くなら確実に魅力的だ」との見方を示した。

原題:German Bonds Stabilize as Worst Week Since 1990 Draws to an End(抜粋)

--取材協力:Naomi Tajitsu.

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